1 00:00:33,285 --> 00:00:36,855 (渋沢栄一)お千代! 2 00:00:36,855 --> 00:00:38,790 (尾高千代)栄一さん。 3 00:00:38,790 --> 00:00:44,590 俺は… お前が欲しい。 4 00:00:52,704 --> 00:00:54,740 (鳴き声) 5 00:00:54,740 --> 00:00:57,376 うわ! 6 00:00:57,376 --> 00:00:59,311 いつからいたんだ お前…。 7 00:00:59,311 --> 00:01:05,011 おい こら 行け行け。 シッ シッ シッ…。 8 00:01:14,526 --> 00:01:16,526 お千代。 9 00:01:18,897 --> 00:01:20,832 ごめんなさい…。 10 00:01:20,832 --> 00:01:22,768 すまん。 その…。 11 00:01:22,768 --> 00:01:33,468 いや 悲しいんではなくて ずっと…。 12 00:01:38,684 --> 00:01:45,684 嫌われたかと思ってたもんだから。 ホッとして。 13 00:01:57,369 --> 00:02:00,872 なぁ➡ 14 00:02:00,872 --> 00:02:04,710 もうちっと しゃべってもいいか? 15 00:02:04,710 --> 00:02:07,910 お千代に話したかったことが いっぺぇあるんだ。 16 00:02:12,451 --> 00:02:15,220 へぇ。 17 00:02:15,220 --> 00:02:20,058 お千代にも見せてやりたかったなぁ あの青。 18 00:02:20,058 --> 00:02:22,728 青? ああ。 19 00:02:22,728 --> 00:02:25,530 険しい山道だったのよ。 20 00:02:25,530 --> 00:02:30,068 俺もあにぃも商いに行ったってのに 詩が詠みたくて寄り道して➡ 21 00:02:30,068 --> 00:02:34,339 どんどん どんどん 山の中進んでった。 22 00:02:34,339 --> 00:02:37,342 ずうっと上まで登って 気が付いたら➡ 23 00:02:37,342 --> 00:02:41,480 岩だらけの場所 はいつくばるようにして登ってよう。 24 00:02:41,480 --> 00:02:43,980 後悔した ハハ…。 25 00:02:45,684 --> 00:02:50,856 でもそこにはなぁ その苦労をしねえと 見れねぇ景色があった。 26 00:02:50,856 --> 00:02:56,728 ぐるりと俺を中心に 周り全てが 見渡す限りの美しさだった。 27 00:02:56,728 --> 00:03:00,032 この世にこんな景色があんのかって…。 28 00:03:00,032 --> 00:03:03,902 特にそう。 空一面の青だ。 29 00:03:03,902 --> 00:03:07,706 藍の青さとも谷の水の青さとも違え。 30 00:03:07,706 --> 00:03:10,906 すっげぇ青が広がってた。 31 00:03:12,878 --> 00:03:17,516 俺は己の力で立っている。 32 00:03:17,516 --> 00:03:23,055 そして青い天に拳を突き上げている。 33 00:03:23,055 --> 00:03:28,055 霧が晴れて 道が開かれた気がした。 34 00:03:29,828 --> 00:03:32,864 俺の道だ。 35 00:03:32,864 --> 00:03:35,000 栄一さんの道…。 36 00:03:35,000 --> 00:03:37,836 お千代も言ってたよな。 37 00:03:37,836 --> 00:03:41,706 人は弱えばっかりじゃねぇ。 強えばっかりでもねぇ。 38 00:03:41,706 --> 00:03:45,010 どっちもある。 39 00:03:45,010 --> 00:03:50,482 藍を作って 百姓といえども大いに戦って➡ 40 00:03:50,482 --> 00:03:55,187 俺は… この世を変えたい。 41 00:03:55,187 --> 00:03:57,222 その道をお千代と共に歩みてえ…。 42 00:03:57,222 --> 00:04:02,494 (渋沢喜作)本当に なっからしゃべる男だのう おめえは。 43 00:04:02,494 --> 00:04:04,694 喜作! 喜作さん。 44 00:04:10,368 --> 00:04:13,872 喜作… お前に話がある。 45 00:04:13,872 --> 00:04:16,374 俺もだ。 46 00:04:16,374 --> 00:04:21,046 俺がもらった長七郎からの手紙には こうあった。 47 00:04:21,046 --> 00:04:27,346 「お千代を嫁に欲しいならば 俺とではなく 栄一と勝負しろ」とな。 48 00:04:29,387 --> 00:04:31,323 え? 49 00:04:31,323 --> 00:04:38,463 栄一 俺と勝負しろ。 50 00:04:38,463 --> 00:05:03,355 ♬~ 51 00:05:03,355 --> 00:05:05,857 行くで 栄一。 52 00:05:05,857 --> 00:05:09,557 おぅ! 来なぃ! 53 00:05:11,196 --> 00:05:13,696 (栄一 喜作)や~! 54 00:05:17,502 --> 00:05:19,502 や~! 55 00:05:29,114 --> 00:05:31,114 や~! 56 00:05:42,661 --> 00:05:44,661 わっ…。 57 00:05:51,169 --> 00:05:53,169 や~! 58 00:05:55,340 --> 00:05:59,678 (よし)あ… やっぱり。 喜作さん。 喜作さん! 59 00:05:59,678 --> 00:06:02,480 うっ…。 (伝蔵)ん? 誰だいね。 60 00:06:02,480 --> 00:06:05,980 喜作さん 気張って! お気張りくださぁい! 61 00:06:07,686 --> 00:06:10,589 (伝蔵)そうよ 負けんな。 気張れ! 気張れ! 62 00:06:10,589 --> 00:06:12,857 あっ…。 あ! 63 00:06:12,857 --> 00:06:16,357 やあ! やあ! あ~…。 64 00:06:19,631 --> 00:06:21,831 うっ…。 65 00:06:23,501 --> 00:06:25,701 栄一さん 気張って! 66 00:06:29,040 --> 00:06:31,309 うぉ~! や~! 67 00:06:31,309 --> 00:06:34,145 や~! 68 00:06:34,145 --> 00:06:48,660 ♬~ 69 00:06:48,660 --> 00:06:50,660 や~! や~! 70 00:06:52,831 --> 00:06:57,469 うぉ~! や~! 71 00:06:57,469 --> 00:07:06,211 ♬~ 72 00:07:06,211 --> 00:07:08,213 (喜作 栄一)ううっ…。 73 00:07:08,213 --> 00:07:10,213 (尾高惇忠)そこまで! 74 00:07:15,687 --> 00:07:22,027 この勝負 僅かながら喜作の勝ち! 75 00:07:22,027 --> 00:07:25,897 (歓声) 76 00:07:25,897 --> 00:07:28,800 (惇忠)まぁ実戦なら刺し違えておる。➡ 77 00:07:28,800 --> 00:07:32,300 2人とも 腕を上げたな。 78 00:07:42,314 --> 00:07:46,184 お千代。 はい。 79 00:07:46,184 --> 00:07:51,656 あいつは俺の弟分だ。 80 00:07:51,656 --> 00:07:57,162 見てのとおり 実にまだまだの男だ。 81 00:07:57,162 --> 00:08:02,862 そのくせ この世を変えたいなどと でかいことを言いだす。 82 00:08:08,173 --> 00:08:16,473 あいつには… おめえのような しっかりものの嫁がいた方がよい。 83 00:08:22,687 --> 00:08:28,387 悪ぃがこの先 あいつの面倒を見てやってくれ。 84 00:08:30,362 --> 00:08:32,362 あの 喜作さん! 85 00:08:39,971 --> 00:08:42,771 幸せにしろよ。 86 00:08:46,144 --> 00:08:48,079 喜作…。 87 00:08:48,079 --> 00:08:52,650 ♬~ 88 00:08:52,650 --> 00:09:00,992 ♬~ 89 00:09:00,992 --> 00:09:03,461 (惇忠)どういうことだ? 喜作は…。 90 00:09:03,461 --> 00:09:07,161 (尾高平九郎)だから兄さま ちょうど今 その話が済んだとこなんだに。 91 00:09:11,336 --> 00:09:15,006 あにぃ。 92 00:09:15,006 --> 00:09:19,844 お千代を 俺の嫁に下さい。 93 00:09:19,844 --> 00:09:24,015 (惇忠)へ? 栄一がお千代と? 94 00:09:24,015 --> 00:09:30,355 あにぃ 俺はこんなだが きっとお千代を幸せにする。 95 00:09:30,355 --> 00:09:36,161 だから… だからお願いします! 96 00:09:36,161 --> 00:09:39,431 しかし お千代は…。 97 00:09:39,431 --> 00:09:42,131 兄さま。 98 00:09:47,972 --> 00:09:50,272 千代も…。 99 00:09:52,444 --> 00:09:57,644 何だ。 お前たち 思い合っていたのか。 100 00:10:03,988 --> 00:10:09,327 栄一は俺の同志であり かわいい弟分だ。 101 00:10:09,327 --> 00:10:14,466 そういうことなら 認めぬわけにはいかぬだろう。 102 00:10:14,466 --> 00:10:17,001 (平九郎)おぉ! (歓声) 103 00:10:17,001 --> 00:10:19,838 (伝蔵) 何かよく分かんねぇけど すげぇぞ!➡ 104 00:10:19,838 --> 00:10:22,173 栄一あにきが お千代さんを嫁にもらうとお! 105 00:10:22,173 --> 00:10:24,209 (歓声) 106 00:10:24,209 --> 00:10:30,482 こうして栄一と千代は 祝言を挙げることになりました。 107 00:10:30,482 --> 00:10:40,225 ♬~ 108 00:10:40,225 --> 00:10:43,525 喜作さん! 109 00:10:46,364 --> 00:10:50,064 あ さっき道場で…。 110 00:10:53,137 --> 00:10:55,837 実にお見事な腕前でございました。 111 00:10:57,709 --> 00:11:00,512 よしは喜作さんに ほれ直しました。 112 00:11:00,512 --> 00:11:02,512 え? 113 00:11:05,216 --> 00:11:07,719 ああ よし! 114 00:11:07,719 --> 00:11:09,919 はい! 115 00:11:11,589 --> 00:11:15,894 よかったら これ 召し上がってくんない。 116 00:11:15,894 --> 00:11:20,732 おお… おう。 117 00:11:20,732 --> 00:13:31,996 ♬~ 118 00:13:31,996 --> 00:14:11,736 ♬~ 119 00:14:11,736 --> 00:14:17,575 (徳川家康)懐かしい。 井伊の赤備えだ。 120 00:14:17,575 --> 00:14:22,213 関ヶ原で一番槍を上げた井伊直政は➡ 121 00:14:22,213 --> 00:14:26,213 徳川の世を作るのに貢献してくれた。 122 00:14:29,387 --> 00:14:35,159 時がたち 井伊家十五代当主となったのが➡ 123 00:14:35,159 --> 00:14:38,196 この井伊直弼です。 124 00:14:38,196 --> 00:14:43,835 十四男に生まれた彼は 跡継ぎの道も遠く➡ 125 00:14:43,835 --> 00:14:48,673 茶の湯 和歌 能楽に 夢中になり➡ 126 00:14:48,673 --> 00:14:50,608 茶歌ポンと➡ 127 00:14:50,608 --> 00:14:55,546 かわいらしい あだ名を 付けられていた。 128 00:14:55,546 --> 00:15:01,853 このころ 幕府は大きな問題を抱えていた。 129 00:15:01,853 --> 00:15:06,190 将軍世継ぎを誰にするか。 130 00:15:06,190 --> 00:15:11,062 英邁と評判な一橋慶喜か➡ 131 00:15:11,062 --> 00:15:17,702 正統な血筋の紀州藩主 徳川慶福か。 132 00:15:17,702 --> 00:15:26,502 そして この戦いで一番槍を上げるのが 井伊直弼なのです。 133 00:15:28,346 --> 00:15:33,146 井伊掃部頭に 大老職を申しつける! 134 00:15:35,820 --> 00:15:38,156 ははっ。 135 00:15:38,156 --> 00:15:40,458 井伊掃部頭? 136 00:15:40,458 --> 00:15:48,166 (家定)掃部頭と一致同心の上 皆一層励むように。 137 00:15:48,166 --> 00:15:51,068 (一同)ははっ。 138 00:15:51,068 --> 00:15:59,877 井伊の大老就任は 誰も予想しなかった突然の抜擢でした。 139 00:15:59,877 --> 00:16:02,680 (岩瀬忠震)お待ちください!➡ 140 00:16:02,680 --> 00:16:07,351 掃部頭様は 大老の器ではございませぬ!➡ 141 00:16:07,351 --> 00:16:10,855 この異国との一大事に 西洋諸国のことも何一つ知らず➡ 142 00:16:10,855 --> 00:16:13,491 掃部頭様が大老で 天下が治まるはずがない! 143 00:16:13,491 --> 00:16:15,560 (松平忠固)上様の思し召しである。➡ 144 00:16:15,560 --> 00:16:18,329 得心せよ。 145 00:16:18,329 --> 00:16:20,264 お待ちを! まだ話は…。 (永井尚志)よせ! 146 00:16:20,264 --> 00:16:27,038 しかし掃部頭様など 政に関しては子供同然の男ではないか。 147 00:16:27,038 --> 00:16:29,073 まぁよい。 148 00:16:29,073 --> 00:16:34,573 自分でも柄でないのは分かっておる。 149 00:16:36,714 --> 00:16:39,450 こっちじゃ…。 150 00:16:39,450 --> 00:16:42,153 (徳川慶喜)井伊掃部頭殿か。 151 00:16:42,153 --> 00:16:44,188 家柄で申せば妥当であろう。 152 00:16:44,188 --> 00:16:47,458 (平岡円四郎)家柄だけよくったって 屁にもなりませんぜ。 153 00:16:47,458 --> 00:16:52,158 こんなことじゃ日の本に降りかかった病は 悪くなる一方だ。 154 00:16:59,470 --> 00:17:06,010 殿! どうかもう その強情なお心を お改めくださいませ。 155 00:17:06,010 --> 00:17:07,945 またその話か。 156 00:17:07,945 --> 00:17:11,816 あなた様は 人の心を引き込む力をお持ちだ。 157 00:17:11,816 --> 00:17:14,485 そう思ってるのは あたしだけじゃねえ。 158 00:17:14,485 --> 00:17:20,191 今じゃ諸侯や幕閣まで それに賛成し 草莽の志士や有志の者までが➡ 159 00:17:20,191 --> 00:17:22,493 皆 ああた様に日の本を➡ 160 00:17:22,493 --> 00:17:26,197 まとめていただきたいと 望んでいるんですぜ! 161 00:17:26,197 --> 00:17:31,802 優秀なくせに苦労が面倒だからといって 天下をお放しになってしまうこたあ➡ 162 00:17:31,802 --> 00:17:33,838 主君たるもののなされるべきこととは…。 163 00:17:33,838 --> 00:17:36,674 もうよい。 分かった。 164 00:17:36,674 --> 00:17:42,513 えっ… あ? 今 分かったと申されましたか? 165 00:17:42,513 --> 00:17:46,150 よし! ありがとうございまする! 166 00:17:46,150 --> 00:17:49,150 まずは水戸のご老公に報せを! 167 00:17:53,324 --> 00:17:58,624 (美賀君)殿は いずれ 将軍になるおつもりであらしゃるか? 168 00:18:05,670 --> 00:18:07,605 うまい。 169 00:18:07,605 --> 00:18:11,605 (歌橋)フフ 上様 お口元が。 170 00:18:15,346 --> 00:18:22,687 上様 このような大役は 恐れ入ったことで…。 171 00:18:22,687 --> 00:18:28,492 某自身は まだ つたなく 皆の信を得ておりませぬ。 172 00:18:28,492 --> 00:18:30,428 水戸のご老公にも嫌われ…。 173 00:18:30,428 --> 00:18:37,134 その水戸の斉昭は今 越前や薩摩と手を組み➡ 174 00:18:37,134 --> 00:18:39,971 己の息子を世継ぎにして➡ 175 00:18:39,971 --> 00:18:44,308 公儀を我が物にしようと 謀っておるのじゃ。 176 00:18:44,308 --> 00:18:48,308 ご老公が そのような謀を…。 177 00:18:49,981 --> 00:18:55,281 阿部は… わしに何も話そうとはしなかった。 178 00:18:57,655 --> 00:19:03,995 将軍とは名ばかりで 政は全て蚊帳の外。➡ 179 00:19:03,995 --> 00:19:07,465 誰もわしのことなど見ておらぬ。 180 00:19:07,465 --> 00:19:13,265 父上はどうであったかのう。 181 00:19:16,007 --> 00:19:18,342 父上が見ていたものは…。 182 00:19:18,342 --> 00:19:25,016 (徳川家慶) 慶喜… 水戸の壮健な体を持つそなたが➡ 183 00:19:25,016 --> 00:19:32,289 この一橋に入ったこと 何よりと思うておる。 184 00:19:32,289 --> 00:19:37,795 (家定)そもそも家臣どもが世継ぎに 口を出すこと自体が不届きなのじゃ! 185 00:19:37,795 --> 00:19:39,730 (歌橋) そうです。 そのとおりでございます! 186 00:19:39,730 --> 00:19:43,601 わしはもう誰にも思うようにはさせぬ。 187 00:19:43,601 --> 00:19:46,303 慶喜を世継ぎにするのは嫌じゃ。➡ 188 00:19:46,303 --> 00:19:49,503 何としても嫌じゃ! 189 00:19:58,015 --> 00:20:02,515 承知つかまつりました。 190 00:20:04,321 --> 00:20:09,660 お世継ぎは上様がお決めになられるのが ごもっとも。 191 00:20:09,660 --> 00:20:15,660 上様に血筋の近い 紀州様こそふさわしいと存じます。 192 00:20:27,078 --> 00:20:31,878 そうじゃ! そうよのう? 193 00:20:40,357 --> 00:20:42,557 ははっ。 194 00:20:45,496 --> 00:20:51,996 将軍お世継ぎには 紀州様を推したいと思う。 195 00:20:55,172 --> 00:21:03,214 お言葉なれど 今日は天下多事にて 人心不安の時。 196 00:21:03,214 --> 00:21:09,887 年長にして賢明なるお方を 将軍家の補佐にすることこそ➡ 197 00:21:09,887 --> 00:21:11,922 急務ではござるまいか。 198 00:21:11,922 --> 00:21:14,622 備中! 199 00:21:25,236 --> 00:21:32,036 我らは臣として 君の命に背くことがあってはならぬ。 200 00:21:33,677 --> 00:21:37,181 は ははぁ…。 201 00:21:37,181 --> 00:21:41,852 紀州様をもり立てましょう。 そのとおり! 202 00:21:41,852 --> 00:21:47,024 井伊大老による 一橋派への弾圧が始まり…。 203 00:21:47,024 --> 00:21:49,360 川路左衛門尉。 204 00:21:49,360 --> 00:21:54,865 一橋慶喜を将軍世継ぎにと建白した 川路聖謨は➡ 205 00:21:54,865 --> 00:21:58,702 西丸留守居にお役替えとなりました。 206 00:21:58,702 --> 00:22:04,202 (川路聖謨) ははっ。 ありがたくお受けいたします。 207 00:22:07,411 --> 00:22:10,881 川路様! おお 円四郎。 208 00:22:10,881 --> 00:22:12,816 よい 下がれ。 はっ。 209 00:22:12,816 --> 00:22:16,520 聞きましたぜ。 お役目替えの話。 210 00:22:16,520 --> 00:22:20,391 留守居役なんて閑職もいいとこですぜ。 211 00:22:20,391 --> 00:22:26,197 円四郎よ。 おりゃあ おめぇ もういい年なんだぜ。 212 00:22:26,197 --> 00:22:31,468 いつかまた プチャーチンやハルリスと 会った時 困らねぇよう➡ 213 00:22:31,468 --> 00:22:35,968 洋書でも読んで過ごすさ。 ハハハハ…。 214 00:22:41,145 --> 00:22:46,445 くっそう おかしろくねぇ! 215 00:22:48,686 --> 00:22:52,486 井伊大老のお回りである。 216 00:23:00,864 --> 00:23:06,036 おい どこへ行く? 217 00:23:06,036 --> 00:23:08,536 おい…。 218 00:23:11,508 --> 00:23:14,008 おい。 219 00:23:18,382 --> 00:23:22,253 おい! 220 00:23:22,253 --> 00:23:25,055 ≪茶歌ポン。 ≪(笑い声) 221 00:23:25,055 --> 00:23:29,226 ≪実力なき家柄だけの男よ。 ≪即刻彦根に戻られよ。 222 00:23:29,226 --> 00:23:31,161 誰じゃ。 ≪かわいそうなお方よ。 223 00:23:31,161 --> 00:23:34,064 ≪ああ。 だから茶歌ポン。 誰じゃ! 224 00:23:34,064 --> 00:23:37,835 ≪茶歌ポン… ハハハハ…。 誰じゃ! 225 00:23:37,835 --> 00:23:46,135 あ~! はぁ はぁ はぁ…。 226 00:23:53,183 --> 00:23:56,683 安政5年6月19日。 227 00:24:03,494 --> 00:24:07,865 ハリスと交渉を重ねていた岩瀬忠震らは➡ 228 00:24:07,865 --> 00:24:12,736 日米修好通商条約に調印しました。 229 00:24:12,736 --> 00:24:16,507 これは 天皇や朝廷の意見に背いた➡ 230 00:24:16,507 --> 00:24:22,212 明らかな罪 違勅でした。 231 00:24:22,212 --> 00:24:27,518 えぇ!? もう条約に調印しただと!? 232 00:24:27,518 --> 00:24:30,220 ははっ。 233 00:24:30,220 --> 00:24:34,992 いや 天子様は まだお許しになっていないはず…。 234 00:24:34,992 --> 00:24:42,866 (徳川斉昭)天子様のご叡慮に背き 条約を交わすなど不届千万! 235 00:24:42,866 --> 00:24:47,004 違勅を犯した井伊を退け➡ 236 00:24:47,004 --> 00:24:53,677 次なる大老に越前殿を迎え 政を改めるのじゃ。 237 00:24:53,677 --> 00:24:56,180 (藩士たち)ははっ。 238 00:24:56,180 --> 00:25:01,685 (円四郎)違勅を犯した井伊大老は やはり器ではございませぬ。 239 00:25:01,685 --> 00:25:04,355 すぐにも退け 越前様を…。 240 00:25:04,355 --> 00:25:08,192 それより 天子様へ条約調印の報せは? 241 00:25:08,192 --> 00:25:11,495 (中根長十郎) ははっ 急ぎ宿継奉書をもって➡ 242 00:25:11,495 --> 00:25:15,032 奏聞したとのこと。 243 00:25:15,032 --> 00:25:18,232 宿継奉書でだと? 244 00:25:21,205 --> 00:25:25,709 なぁ 円四郎。 天子様とはどのようなお方かのう。 245 00:25:25,709 --> 00:25:29,880 はい? 天子様でございまするか? 246 00:25:29,880 --> 00:25:34,651 例えば お前が 私の意に背くことをしたとして➡ 247 00:25:34,651 --> 00:25:39,156 それを お前がここで 正直に頭を下げたなら➡ 248 00:25:39,156 --> 00:25:41,191 私はお前を許すと思う。 249 00:25:41,191 --> 00:25:47,664 しかし それを書簡のみにて 軽々しく知らせてきたとしたら…➡ 250 00:25:47,664 --> 00:25:50,567 私はお前を許さぬ。➡ 251 00:25:50,567 --> 00:25:52,536 天子様ならばどうだ? 252 00:25:52,536 --> 00:25:57,341 いやしくも 天照大神のご子孫である天子様が➡ 253 00:25:57,341 --> 00:26:01,845 このような 軽々しい扱いをされるなどとは➡ 254 00:26:01,845 --> 00:26:04,645 どれほどお怒りになられても足りぬ…。 255 00:26:07,351 --> 00:26:10,187 大老に すぐにここに参れと伝えよ。 256 00:26:10,187 --> 00:26:12,856 へ? しかし 大老を➡ 257 00:26:12,856 --> 00:26:14,792 お屋敷にお呼びつけになるなど 先例がございませぬ。 258 00:26:14,792 --> 00:26:18,495 父より先に話がしたいのだ。 259 00:26:18,495 --> 00:26:21,495 ははっ! すぐにも! 260 00:26:27,504 --> 00:26:29,573 申し上げます。 261 00:26:29,573 --> 00:26:34,144 一橋様がお屋敷に参るよう 仰せにございます。 262 00:26:34,144 --> 00:26:36,944 一橋様が? 263 00:26:39,817 --> 00:26:45,617 分かった。 明朝ご登城いただければ お目にかかりますと答えよ。 264 00:26:48,325 --> 00:26:53,197 [ 心の声 ] 一橋慶喜など ただのご老公の傀儡。➡ 265 00:26:53,197 --> 00:26:56,697 恐るるに足りぬ。 266 00:27:20,357 --> 00:27:25,229 先日は大老職を命じられ 大儀なことである。➡ 267 00:27:25,229 --> 00:27:29,066 今回の調印は そこもとも承知の上でのことか。 268 00:27:29,066 --> 00:27:31,435 それとも そこもとは不承知であるのに➡ 269 00:27:31,435 --> 00:27:37,235 備中守などが無理に取り計らったゆえ 今日のような違勅となったのか? 270 00:27:39,309 --> 00:27:41,979 (直弼)恐れ入り奉りまする。 271 00:27:41,979 --> 00:27:45,449 (慶喜)恐れ入りでは何も分からぬ。 272 00:27:45,449 --> 00:27:50,249 ははっ 私も同意いたしましたことゆえ 恐れ入り。 273 00:27:52,222 --> 00:27:57,060 そうか。 天子様のご叡慮に反すと知ってのことか? 274 00:27:57,060 --> 00:28:04,468 私もそのように思い拒みましたが しかたなく同意を…。 275 00:28:04,468 --> 00:28:10,274 天子様のご叡慮に反し それをまた 奉書のみにて京に伝えるとは何事か! 276 00:28:10,274 --> 00:28:13,844 朝廷を軽んじるにも程があるぞ! 277 00:28:13,844 --> 00:28:16,480 ははっ。 恐れ入ります! 278 00:28:16,480 --> 00:28:20,183 明日早々上洛し しかたなく不埒をしたと弁解をせよ。 279 00:28:20,183 --> 00:28:25,055 ははっ。 私どもの誰かが 早々に上京して弁解いたします。 280 00:28:25,055 --> 00:28:30,055 どうか… どうか幾重にも お許しいただきますよう。 281 00:28:41,805 --> 00:28:44,605 (慶喜)私に謝ることではない。 282 00:28:46,677 --> 00:28:49,177 全て徳川のためじゃ。 283 00:28:53,817 --> 00:28:55,752 へ? 284 00:28:55,752 --> 00:29:00,324 お世継ぎの件は どうなったのだ? 285 00:29:00,324 --> 00:29:05,662 ははっ 恐れ入り奉りまする。 286 00:29:05,662 --> 00:29:07,698 さっきから何を恐れ入っておる? 287 00:29:07,698 --> 00:29:12,198 お 恐れ入り奉りまする。 288 00:29:14,371 --> 00:29:19,371 そうか。 いよいよ紀州殿に決まったのだな。 289 00:29:22,112 --> 00:29:25,048 それは大慶至極ではないか。 290 00:29:25,048 --> 00:29:29,353 私も何やかやと言われ案じていたが 安心した。➡ 291 00:29:29,353 --> 00:29:33,624 紀州殿は 先ほどお姿を見たが…。 292 00:29:33,624 --> 00:29:36,960 (徳川慶福)これは一橋様。 293 00:29:36,960 --> 00:29:39,160 ご機嫌よろしゅう。 294 00:29:42,633 --> 00:29:47,437 (慶喜)心穏やかで 背丈も年齢の割に大きくご立派だ。➡ 295 00:29:47,437 --> 00:29:49,806 幼いとの声もあるようだが➡ 296 00:29:49,806 --> 00:29:53,977 そこもとが大老として補佐すれば 何の不足があろうか。 297 00:29:53,977 --> 00:30:01,451 そ… それでは 一橋様は紀州様でよろしいと。 298 00:30:01,451 --> 00:30:04,988 さもありなん。 299 00:30:04,988 --> 00:30:10,794 はぁ 一橋様が そのように思し召しくだされば➡ 300 00:30:10,794 --> 00:30:15,794 まことにありがたく安堵いたしました。 301 00:30:20,470 --> 00:30:23,840 お待ちくだされ。 302 00:30:23,840 --> 00:30:25,776 お待ちくだされ 殿! 303 00:30:25,776 --> 00:30:28,011 今 聞いたとおりだ。 304 00:30:28,011 --> 00:30:31,882 このようなことで長くもめては ますます公儀を弱らせるのみ。 305 00:30:31,882 --> 00:30:34,351 これでよかったのだ。 306 00:30:34,351 --> 00:30:36,351 そんな…。 307 00:30:40,157 --> 00:30:42,457 お待ちくだされ! 308 00:30:45,696 --> 00:30:49,396 よかった…。 309 00:30:56,873 --> 00:30:59,873 そして翌日。 310 00:31:03,513 --> 00:31:11,888 違勅調印の件でございましたら いずれ上洛するつもりでおりますゆえ➡ 311 00:31:11,888 --> 00:31:15,088 恐れ入り奉りまする。 312 00:31:16,727 --> 00:31:27,904 そうか。 しかし お世継ぎの件を公にする儀は➡ 313 00:31:27,904 --> 00:31:31,241 いまだ時宜を得ぬのではないか。 (徳川慶恕)ごもっとも! 314 00:31:31,241 --> 00:31:37,481 一橋様にも昨日 了承を得てございまする。 315 00:31:37,481 --> 00:31:40,851 (徳川慶篤)七郎… 一橋殿は何と? 316 00:31:40,851 --> 00:31:50,051 「一日も早くお世継ぎを周知し 天下を安心させるがよい」と。 317 00:32:00,704 --> 00:32:02,639 越前を呼べ。 318 00:32:02,639 --> 00:32:06,439 越前殿? 越前を呼ばぬか! 319 00:32:08,378 --> 00:32:10,313 越前も登城しておるはずじゃ!➡ 320 00:32:10,313 --> 00:32:12,716 呼ばぬか! (慶篤)父上 なりませぬ! 321 00:32:12,716 --> 00:32:14,716 井伊 呼べ! 322 00:32:17,387 --> 00:32:20,290 井伊! 待て! 井伊! 父上。 323 00:32:20,290 --> 00:32:24,490 待たぬか! 待て! 待たぬか! 324 00:32:32,836 --> 00:32:40,710 美賀君よ。 あいにくだが… 私に将軍の道はなくなったぞ。 325 00:32:40,710 --> 00:32:43,410 おやまぁ…。 326 00:32:45,182 --> 00:32:48,682 それはそれは。 327 00:32:52,055 --> 00:32:55,055 おかしなものじゃ。 328 00:32:57,194 --> 00:33:05,702 ホッとしたような どこかさみしいような…➡ 329 00:33:05,702 --> 00:33:08,605 不思議な気持ちじゃ。 330 00:33:08,605 --> 00:33:24,888 ♬~ 331 00:33:24,888 --> 00:33:30,688 父上は さぞ がっかりされたことだろうのう。 332 00:33:38,168 --> 00:33:44,674 (慶喜)私は父上の… 最後の望みまで摘み取ってしまった。 333 00:33:44,674 --> 00:34:00,374 ♬~ 334 00:34:11,368 --> 00:34:15,372 (久世広周) この度 上様の思し召しにより➡ 335 00:34:15,372 --> 00:34:21,044 お世継ぎは紀州宰相様に決せられました。 336 00:34:21,044 --> 00:34:24,881 こうして 将軍世継ぎ問題は➡ 337 00:34:24,881 --> 00:34:31,221 紀州藩主 徳川慶福に決定しました。 338 00:34:31,221 --> 00:34:33,156 (大名たち)ははっ。 339 00:34:33,156 --> 00:34:41,331 (荒い息遣い) 340 00:34:41,331 --> 00:34:44,131 上様? 341 00:34:50,840 --> 00:34:53,743 上様! よいか 井伊。 342 00:34:53,743 --> 00:35:00,243 水戸や越前を皆処分せよ。 343 00:35:03,853 --> 00:35:06,053 慶喜もじゃ。 344 00:35:08,024 --> 00:35:10,024 頼むぞ。 345 00:35:11,695 --> 00:35:15,031 頼む。 346 00:35:15,031 --> 00:35:21,331 わしの願いをかなえよ…。 347 00:35:23,506 --> 00:35:29,713 上様? 上様! (荒い息遣い) 348 00:35:29,713 --> 00:36:06,850 ♬~ 349 00:36:06,850 --> 00:36:11,187 上様の命を申し遣わす。 350 00:36:11,187 --> 00:36:19,362 前中納言 徳川斉昭を謹慎に処す。➡ 351 00:36:19,362 --> 00:36:27,103 越前中将 松平慶永は隠居 直ちに謹慎。 352 00:36:27,103 --> 00:36:37,747 また 水戸宰相 徳川慶篤 一橋宰相 徳川慶喜を➡ 353 00:36:37,747 --> 00:36:40,247 登城禁止に処す! 354 00:36:43,153 --> 00:36:46,990 (松平慶永)お待ちくだされ! 一橋様に罪はないではないか! 355 00:36:46,990 --> 00:36:57,000 ♬~ 356 00:36:57,000 --> 00:37:06,009 この翌日 第十三代将軍 徳川家定は逝去しました。 357 00:37:06,009 --> 00:37:13,750 そしてこれが 後にいわれる 安政の大獄の始まりでした。 358 00:37:13,750 --> 00:37:19,489 左内殿 いま一度どうにかならねぇのか。 359 00:37:19,489 --> 00:37:23,359 恨み憎むべくは あの井伊の赤鬼だ。 360 00:37:23,359 --> 00:37:28,198 (橋本左内)この左内 もとより その腹積もり。➡ 361 00:37:28,198 --> 00:37:31,034 我が殿を隠居させられ➡ 362 00:37:31,034 --> 00:37:33,002 このまま引き下がるわけには まいりませぬ。 363 00:37:33,002 --> 00:37:36,702 必ずや赤鬼を退治いたしましょう。 364 00:37:44,681 --> 00:37:48,318 (やす)鬼退治ねぇ。 365 00:37:48,318 --> 00:37:50,987 (宇都宮藩士)今すぐ攘夷を決行せよ! 366 00:37:50,987 --> 00:37:53,323 (水戸藩士)井伊の赤鬼を退治せよ! 367 00:37:53,323 --> 00:37:57,827 水戸の斉昭らを処罰した 井伊直弼のうわさは➡ 368 00:37:57,827 --> 00:38:04,167 攘夷の志士たちの間にも すぐに広がりました。 369 00:38:04,167 --> 00:38:12,342 (大橋訥庵) お主にも 大いに期待をしておるぞ。 370 00:38:12,342 --> 00:38:14,542 はい。 371 00:38:16,346 --> 00:38:19,646 そして 冬になり…。 372 00:38:23,052 --> 00:38:26,189 (尾高やへ)きれいよ お千代。 373 00:38:26,189 --> 00:38:38,835 ♬~ 374 00:38:38,835 --> 00:38:43,606 お千代ちゃん おめでとう。 375 00:38:43,606 --> 00:38:47,310 (子供たち)千代ねえさん来たよ! 376 00:38:47,310 --> 00:38:51,814 ♬「めでた めでたのお嫁入り」 377 00:38:51,814 --> 00:38:58,321 ♬「お蚕様のきれいなおべべは玉の輿」 378 00:38:58,321 --> 00:39:02,659 ♬「めでた めでたのお嫁入り」 379 00:39:02,659 --> 00:39:08,998 ♬「お蚕様のきれいなおべべは玉の輿」 380 00:39:08,998 --> 00:39:13,169 ♬「めでた めでたのお嫁入り」 381 00:39:13,169 --> 00:40:28,669 ♬~ 382 00:40:56,739 --> 00:41:05,415 ♬~ 383 00:41:05,415 --> 00:41:08,384 あにぃ。 おぉ。 おめでとう。 384 00:41:08,384 --> 00:41:11,220 おめでとうございます。 ありがとう。 385 00:41:11,220 --> 00:41:13,520 (尾高きせ)よしさんも ありがとう。 386 00:41:15,091 --> 00:41:18,094 あれ 喜作のお嫁さん? 387 00:41:18,094 --> 00:41:21,531 はい。 よしと申します。 どうぞよろしく。 388 00:41:21,531 --> 00:41:24,734 へぇ きれいな嫁さんじゃねぇか。 389 00:41:24,734 --> 00:41:28,538 まあ ちっと 尻に敷かれてる気もするが➡ 390 00:41:28,538 --> 00:41:32,542 なっから かわいい嫁よ。 ハハハハ…。 391 00:41:32,542 --> 00:41:38,181 (渋沢市郎右衛門)よぉし 俺がひとつ 祝い歌でも歌ってやんべぇ。 392 00:41:38,181 --> 00:41:40,116 え? とっさまが? 393 00:41:40,116 --> 00:41:43,019 (渋沢宗助) いやいやいや ここは俺が歌わねば。 394 00:41:43,019 --> 00:41:47,490 (渋沢まさ) お前さんはいいから もう3曲目でねぇか。 395 00:41:47,490 --> 00:41:49,425 座って…。 396 00:41:49,425 --> 00:41:55,231 よぅし そんなら俺が! (歓声) 397 00:41:55,231 --> 00:41:59,102 (手拍子) 398 00:41:59,102 --> 00:42:12,215 ♬「松竹梅に 固く結びや絹の糸」 399 00:42:12,215 --> 00:42:15,718 栄一 お前 こっち。 400 00:42:15,718 --> 00:42:36,718 ♬~ 401 00:43:01,864 --> 00:43:04,767 徳川を… 意のままに? 402 00:43:04,767 --> 00:43:08,204 攘夷だ! 尊王攘夷だ! おう! 攘夷じゃ! 403 00:43:08,204 --> 00:43:11,707 どうして妾が…。 おりゃあ生き延びますぜ。 404 00:43:11,707 --> 00:43:14,043 (銃声) 405 00:43:14,043 --> 00:43:15,978 あとは…。 406 00:43:15,978 --> 00:43:17,914 ありがとうな。 407 00:43:17,914 --> 00:43:20,414 妾は そなたらを決して許さぬ! 408 00:43:22,718 --> 00:43:26,418 俺はどうすればいい? この世を変えるには…。 409 00:43:34,263 --> 00:43:37,233 滋賀県彦根市。 410 00:43:37,233 --> 00:43:41,933 この地は 江戸時代を通して 井伊家が治めました。 411 00:43:47,376 --> 00:43:52,576 井伊直弼は 城内にある槻御殿で生まれました。 412 00:43:54,517 --> 00:44:02,892 17歳の時に父を亡くし 城下町にあった控え屋敷に移り住みます。 413 00:44:02,892 --> 00:44:07,530 自らを 花の咲くことのない埋もれ木に例え➡ 414 00:44:07,530 --> 00:44:11,400 埋木舎と名付けたこの屋敷で➡ 415 00:44:11,400 --> 00:44:17,200 直弼は禅や居合 能などの修練を 重ねました。 416 00:44:20,910 --> 00:44:27,083 特に 茶の湯に打ち込んだ直弼は 屋敷に茶室を増築。 417 00:44:27,083 --> 00:44:31,921 流派を立てるほど情熱を注ぎました。 418 00:44:31,921 --> 00:44:36,492 井伊家の菩提寺の一つ 龍潭寺には➡ 419 00:44:36,492 --> 00:44:42,298 直弼が度々 茶会を催した部屋が 残されています。 420 00:44:42,298 --> 00:44:48,504 兄の急死により 藩主に就任した直弼。 421 00:44:48,504 --> 00:44:56,204 彦根から遠く離れた江戸の地で 国難を乗り越える道を模索していきます。 422 00:45:34,250 --> 00:45:38,120 <本所は 江戸の東の外れ。➡ 423 00:45:38,120 --> 00:45:43,620 小さな武家屋敷と町家が こまこまと軒を連ねる町です> 424 00:45:50,199 --> 00:45:53,502 家内円満 無病息災。 425 00:45:53,502 --> 00:45:58,874 <勝家は 代々 徳川家に仕える ご直参の家柄ですが…。➡